(新潟とのかかわり)

最近新潟に来ることが頻繁になった。一時期、数年に一回だったが、この一年には数回新潟に来ている。新潟に来ると時間があれば萬代橋、本町市場、白山神社、ミナトピア、新潟西港の水際船を歩くこととしている。そして、福井と争う「とんかつ太郎」のカツ丼を食べる。
新潟観光のゴールデンコースと自認している。新潟は非常に好きなみなとまちになった。

実は、福井生まれの私にとって運輸省に入るまで新潟に来ることはなかった。せいぜい富山どまりである。実は、同じ第一港湾建設局、今は北陸地整と言いながらも福井にとって新潟はあまり親近感が無いのが現実だ。しかし新潟の斉藤家などはもともと三国から来ているという。北前船以前は意外と交流があったのだ。

さて、運輸省に入ってのち、私の新潟とのかかわりは１０年おきだった。「一建調設」「敦賀港」「新潟港」と１０年おきに関わりが。詳しいことは、「一港会　会報　６９号」を見ていただければ。



(ブラタモリ系のきっかけ)

私のみなと人生も「新潟港」で大きく変わった。なんといってもいろんな人とつながりができて、興味の対象が「ブラタモリ」的に街歩き・「六斉市」に移ったことだ。

きっかけは、新潟市の池田さん(確かまちづくり推進課長?)から、「開港５都市のまちづくり担当の人が新潟に来るので、「新潟港」の船で新潟港を案内して」ということだった。仕事の関係上港湾は、都市サイド、河川・道路サイドとぶつかることが多い。やや斜に構えて対応したような気もするが、実際会議に参加してみると非常に面白かった。役所だけでなく、開港後都市の街づくり団体の人も参加しているのだ。それを機会に、私は新潟市の人とや新潟の街歩きの人やいろんな人との交流が広まった。
港の方でも、新潟みなとまちづくり懇談会を県から引き継いで活動を活発化させた。本当に何がきっかけになるかわからないものだ。


(新潟のおすすめ１つ　高い水面と塩水くさび)

もう一つ、新潟に来て感じたことを一つ。いろんなところで話しているが、新潟は非常に水面が人の目線に近いことである。私が新潟に来たとき萬代橋、ミナトピア新潟西港の緑地を開くのは水面が非常に高いからだ。歩いているともしくは自転車に乗っていると非常に気持ちが良い。

新潟港で土砂処分場の関係の仕事をしている時その理由がわかった。①新潟港は日本海なので干満の差がほとんどない。②信濃川と言っても西港付近には、洪水時は濁るだけでほとんど高水流量が変わらない。この２つが決定的なのだ。その結果萬代橋及び西港の水面は変動が少なく水面が高いのだ。こんなのは日本で新潟だけだと思った。

新潟西港、信濃川河口には実は安定した「塩水くさび」があると確信した。新潟に来る前、下関に住んだとき北九州紫川河口の水環境館でしょっちゅう塩水くさびを真横から見て楽しんでいた。淡水魚の水族館のような施設で、川の断面を真横から見られる仕組みである。塩水と淡水の境界が波のように揺れて太陽の日がそこに入ると非常にきれいなのである。この感動は忘れられない。海水部分にはスズキなど魚もいる。紫川の塩水くさびの弱点は、干満の差が大きいこと。洪水流もあり流量一定でなく塩水くさびが安定しないこと。

紫川の欠点を克服できるのは、新潟西港・信濃川河口なのだ。そもそもそんな欠点が無いのである。そこで、生物環境護岸として、西港に棚式護岸を作ったが、本当は、そこにアクリル製の壁面をつくり塩水くさびを横から観察できる施設を作りたかったのだ。時間と予算の関係実現できなかったが、ぜひ実現してほしい。


八千代エンジヤリング　吉田秀樹

	万代橋から柳都大橋大橋をのぞむ 新潟西港付近の緑地の水面は高い
	西港緑地の断面の模式図 人間にとって水面が高い 理由は、①干満の差が小さい ②河川流量一定
	新潟西港の塩水くさびの模式図 塩水くさびは安定 理由は、①干満の差が小さい ②河川流量一定
	紫川（北九州市） 右岸側（向かって右側）に水環境館
	水環境館内の河川断面見学窓 水面がよく見える 色の若干の違いが塩水くさび境界面 塩水くさびは安定しない 理由は、①干満の差が大きい②流量が変化する
	塩水くさび下面（塩水部分）の魚 スズキと思われる